田中圭一『うつヌケ』読書感想文。私のうつヌケするきっかけはブログでした(多分)
こんにちは。少しづつ前向きになって来たほしかみです。
本屋で目に留まったので田中圭一さんの『うつヌケ』を読みました。そこで感じたことを書いていきたいと思います。うつで悩んでいる方に読んでみてほしい一冊です。(タイトルに「多分」が入っている理由は後述します)
『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』とは
この本はマンガ家である田中圭一さんが、長年悩まされてきた「うつ」とどうやって折り合いをつけていったのか、またそのほかにも「うつ」を抜け出した人たちを取材し、「うつ」を抜けるきっかけを広めようと田中さん自身がマンガ化したものです。
各話ページ数が限られているせいかやや速足のエピソードもありますが、参考になる部分が多くありました。
うつトンネルという言葉
そうそう、気になってたんですよ。「うつ」って治ったと思ったらまたやってきますよね。それを「トンネル」という言葉で表現したのはまさにその通りというか。
またあの頃の憂鬱な感じだ……いやになる。どうしたらいいの
って繰り返すたび自分って成長してないんだと思わされて苦しくなります。
うつになるきっかけは?
全体的なうつになるきっかけとして、
- 向いてない仕事を無理をしてがんばる
- 過労・疲労によるストレス
- 過度なプレッシャー
- 幼少期のトラウマ
といったところでしょうか。しんどい環境にいるなら本当に潰れてしまう前に逃げた方が良いと思います。
しかし、このマンガに出てくる取材された人たちはみんな「うつ」を抱えながら、それでも体に鞭打って仕事に行っている人が本当に多いですね……確かに、簡単に仕事を辞めるわけにはいかないのでしょうけど。
無理してでも出社しなければと思わされ、メンタルを潰しにくる日本の労働環境にも問題があるのでは。
うつを抜けたきっかけは?
登場人物のみなさんそれぞれ異なりますが、最終的にまとめられたのは以下のようなものでした。
- 自分を否定するものからは遠ざかり、肯定してくれるものに近づく
- 夢中になり、達成感を得られるなにかを見つける
- 必要とされている、役に立っていると実感する
この中の「夢中になり、達成感を得られるなにかを見つける」ことは比較的簡単なのではないかと思います。
現に私は、ブログを書くのが楽しいです。
もともと文章を書くのが好きなのを思い出させてくれました。
私の一例から話を広げさせてもらうと、子どもの頃に夢中になったこととか、好きだったなってことをやってみるといいんじゃないでしょうか。またはそれに近しいけど、別のこととか。
例えばギターを弾くのが好きだったなら、次はウクレレを弾けるようになってみようとか。新しい要素が入っていると未知の部分があるから、ワクワクしますしね。
気が滅入っているときに夢中になれるものを探すのは大変だと思います。
だから、ほんの少しでも興味が持てたもののことを思い出してみてほしいです。それがあなたの救いになるかもしれませんから。
うつは治る・治らないではなく、うまく付き合っていくもの
『うつヌケ』作者の田中さんもいまだ精神状態が危うくなることがあるみたいです。「トンネル」という言葉を使っているように、またいつトンネルの中に入ってしまうかはわからないんですよね。だからまた入りそうになってしまったら、否定するのではなくて落ち着いて受け入れるのがいいのかなと思います。
無理に対処しようとか思わない方が良いと書いてありましたし。(私も精神科に行っては早く治ってほしくて焦ってました。これが良くないんだろうなあ)
私がタイトルに「多分」という言葉を入れたのは、完全にトンネルを抜け切れたかどうかはまだわからないからです。もしかしたらまた近いうちに落ち込みが激しくなるかもしれない。それはわかりません。
でも、トンネルを抜けるたびに「うつ」との付き合い方がわかってきて、切り抜け方も見えてくる筈です。そう考えたら少し楽になりませんか。
以上、『うつヌケ』の読書感想文でした。
ここまでお読みくださってありがとうございました。